城下んひと

age29/IT系から接客へ/独立したいなァ

美味しんぼ批判は、擁護より風評を生む

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福島原発をめぐる美味しんぼの事件。

思うのは、美味しんぼの事件だけ切り取ってみると、風評被害とやらを悪化させたのは美味しんぼ批判に回った人々な気がする。

美味しんぼが未だに連載していて単行本も出てるなんて、知ってる人のほうが少数では?それがなぜか今回ばかり大げさにクローズアップされて、まだ連載してたのか、って驚いた人も少なくないはず。

わざわざ批判のための批判を繰り広げて人々の耳目を集める必要はない。それこそ現場にとってはお節介というか有難迷惑って気がしてならない。

今回美味しんぼを批判してる人も、擁護した人も、煎じ詰めればイデオロギー闘争のネタとしてしか作品を見てないと感じる。

ただ、擁護するだけならば同士の結束を高める道具の意味しかない。あくまで仲間内の話だけだ。たとえば赤旗が「美味しんぼが描いている。健康被害はまだ続く」なんて主張したとして、誰が真に受けます? ソースは美味しんぼ、では共産党員ですら鼻で笑う。 

村上春樹の新作やワンピースの新刊でもない限り、鼻血を何発出そうが風評の観点ではほぼ無害なんだと思う。意地悪な書き方だけれども。

ところが批判に使う場合は、鼻血を出したシーンが不特定多数(それこそビッグコミックスピリッツの発行部数の何倍もの人々に)にばら撒かれて、再び健康被害問題が蒸し返される。批判のための批判によって、問題の本質がさらにぼやける。

きっと「イヤイヤ。蒸し返すなよ。忘れてくれよ」と現場は思ってるに違いない。

この問題は、議論するのではなく忘れることこそ肝要なのだと私は思う。